ジキルハイド賞
何もかもインターフェロンの副作用につなげて考えるのはよくないが、仕事をしたくない気分だったので、サボってWebなぞ見ていると、リンクをたどって医薬ビジランスセンターのページに何年ぶりかでぶつかった。久しぶりに見るとなかなか面白くて、一昨年の記事だから新しくはないが、「ゴールデンピル賞」なんてのがある。日本の必須薬中の必須薬を選ぶ「ゴールデンピル賞」、有効性や安全性の評価に基本的な欠陥があり、使用を中止した方がよいくすりを選ぶ「デビルピル賞」、非常によい面と使い方によっては大きな害を起こす悪い面が出るくすりを選ぶ「ジキルハイド賞」が選定されている。個々の薬剤の選定理由もかんたんに挙げられている。後に挙げた2つの賞はノミネートだけになっている。
デビルピル賞ノミネート薬の中には、今問題になっているイレッサもある。同じノミネート薬に、高脂血症治療薬メバロチンもある。発売当時は三共の業績向上に大いに貢献したくすりとして、日経あたりで大変好意的に書かれたものだが、今ではデビルピルだ。1980年代にこんな賞があったなら、ミドリ十字のフィブリノゲンもこちらに選ばれていただろう。承認や再評価に至る経緯の不透明さ、後天性患者に対する有効性の欠陥は薬害肝炎訴訟でたびたび指摘されている。
さて、ジキルハイド賞には、我が日本赤十字社の新鮮凍結人血漿もめでたくノミネートされている。それも「特に問題薬剤」として。日赤の製品でノミネートされているのはゴールデンピル、デビルピルも含めてこれだけだ。選定理由は次のとおり。妥当な理由だと思う。見ているひとはちゃんと見ているのだ。
- 凝固因子が不足した患者の大量出血には必要であるが、不要な患者に使われすぎて、C型肝炎を多発させた。現在でも一定の率で感染の機会を増加
- 本来あるべき、凝固因子製剤の製造に回すべきものが血漿のまま使用されている。
薬害HIVのいわゆる第4ルート感染が問題になって以来、凝固因子製剤の適用の厳密化が行われ、一般の患者さんが使用できる凝固因子製剤は、新鮮凍結血漿以外なくなった。その意味では必要なのだが、「血液とウイルス対策」で書いたように、現在では最も危険な凝固因子製剤なので、使用を減らす努力は何としても必要だ。薬害肝炎訴訟で問題となっている産科DICによる大出血では、凝固因子の補充に新鮮凍結血漿が現在使われるが、最近は産科DICの発生自体が少なくなっているそうだ。薬害肝炎訴訟の被告側の証人によれば、超音波診断装置(肝炎患者もお世話になるエコーというやつ)の発達と普及で、DICの原因となる状態が早期に発見できるようになったからだという。
このところ、Blogの書き込みが1日ごとに長くなったり短くなったりしている。眠れない影響かも。今日も早く寝よう。
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